HACCPが義務化になったものの、導入しないと罰則や罰金はあるの?と疑問に思う方も多いと思います。今回はHACCPを導入しないとどのようなことが起こるのか解説をしていきたいと思います。

HACCPの義務化について食品衛生法で定められていますが、未導入だった場合の罰則については明確な記述はありません。

ただし、都道府県が独自に定めている基準がある場合や食品衛生法に違反した場合は罰則を受ける可能性があるので注意が必要です。

食品衛生法に違反

3年以下の懲役または300万円以下の(法人は1億円以下)の罰金のおそれがあります。

都道府県が決めたルールに違反した場合

2年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金のおそれがあります。

HACCPが未導入だった場合、どのようなデメリットが起こるのでしょうか。

営業許可や更新に影響が出る

HACCP導入の義務化によって、営業許可の取得・更新に影響が出る可能性があります。
新しくお店を出すなど、営業許可取得や更新が必要な場合には、新たに衛生管理計画書実施記録(更新のみ)が必要となります。

衛生計画書がない場合、営業許可の新規取得もできず、更新することもできません。
また、営業許可更新の際に「実施記録」がない場合、衛生管理や記録に不備があるとして罰則の対象になってしまう可能性もあります。

このように、HACCP義務化に対応していないことで、営業許可の新規取得や更新ができず営業ができなくなる可能性が出てきてしまいます。

企業へのイメージダウン

HACCPを導入していたら、企業のイメージアップにつながりますが、HACCP管理を怠っていることが消費者や取引先に知られてしまうと、信頼を失い企業のイメージダウンにつながり売上を下げる大きな原因となってしまいます。

またHACCP管理が怠っていると、食中毒や異物混入のリスクが高まり大変危険です。食中毒や異物混入等の事故が発生すると、営業停止や被害者の方への損害賠償なども出てきてしまいます。取引先との信頼関係や一般消費者のブランドイメージを守るうえでもHACCP対応は欠かせないと言えるでしょう。

海外進出ができなくなってしまう可能性がある

HACCPは既に世界各国で導入が進んでいます。

アメリカでは1997年から、EU加盟国では2006年から、カナダやオーストラリアではアメリカよりも早い1992年から順次HACCPが義務付けられています。

このような環境下で、HACCP未対応の企業の海外進出は不利となります。

HACCP義務化を実施している国のほとんどが輸入要件にHACCPが導入されていることを盛り込んでいるため、HACCPを導入していなければ海外進出ができない可能性があります。

HACCPは海外の先進国でも取り入れられており、米国やEU、カナダやオーストラリア、韓国や台湾などでは日本よりも早くにHACCP導入を進めています。HACCPは国際的な衛生基準であり、海外輸出する際は「HACCPの導入をしていること」が要件となっています。そのため、HACCP未導入の企業では輸出入がしにくくなってしまう可能性も否めません。

まとめ

HACCPは既に義務化となっておりますので、まだ導入されていない方は早急な対応が必要となります。また、今後は食品に対する衛生管理の水準がより高くなっていくことが予想されます。HACCPに沿った衛生管理を徹底し、より安心安全な食品をお届けできるように取り組んでいきましょう。