HACCPにおける食品の温度管理について

食品の温度管理はHACCPを取り入れるにあたって、非常に重要な管理となります。今回は、冷却温度・加熱温度など各工程の温度と時間についてご紹介します。

食品は加熱したのち、直ちに冷却しないと温度が緩やかに下がるにつれて生き残った細菌が再び増えてしまうことがあります。このため、加熱後の食品を冷却する時に、所定の処理量、冷却温度と冷却時間を守ることが大切です。

加熱後はできるだけ短時間に、細菌が増殖する温度帯以下に冷却することがポイントになります。

加熱後は細菌の増殖を抑えるために、できるだけ早く10℃以下に冷やすことが重要となります。

●食品を冷却した時は、食品の中心部の品温を計ることができる中心温度計を使用して、品温が予め設定した冷却温度以下になっていることを確認しましょう。

●冷却は、単に冷たいところに入れるだけでなく、風を当てて食品から熱を奪うことが重要です。そこで冷蔵庫に入れる前に、扇風機などで粗熱をとると効果的です。

●小分けにしたり、バットに伸ばして表面積を大きくすると効果的です。

●品質のばらつきを防ぐために、冷却した食品の名称、冷却温度や時間、冷却後の食品の品温を正しく記録しておきましょう。

食品を加熱殺菌するには、食品全体が十分な加熱を受けていなければなりません。食品の加熱温度を測定する際は、最も熱が通りにくい箇所(食品の中央部分)を測定します。

なお、測定した温度については記録表に必ず記録しましょう。

加熱時の温度、冷却後の温度、保管庫の温度を正しく計りましょう。

  • 煮物や炒めものの中心温度を測る場合、最も熱の通りにくい具材の中心温度を計り、それで全体が適切な加熱温度になっているかを判断します。
  • 冷蔵庫の温度を測る場合、吹き出し口で測っていたのでは冷気の温度を測ることになり、正しい温度が測れません。温度計は庫内の適切な場所に設置しましょう。
  • 正しい温度を測定するためには、定期的に正しい温度が表示されているか温度計をチェックしましょう。

食品衛生管理には様々な分野がありますが、その中でも温度管理は非常に重要だと考えられます。
それは食中毒防止や品質維持のためには、各製造工程及び流通・保管のそれぞれで適切な温度を維持することが必要であるからです。
食中毒などの原因菌の繁殖は温度管理によって抑制することができるケースがあります。また、温度帯によっては付着した細菌を殺菌できる場合もあります。今回ご紹介したポイントをもとに実践してみてください。